茶道では主客が濃密な時間を共有する。
これが残念なことに、ウイルス感染症拡大防止とは相性があまりよろしくない。
茶の湯では流派を問わず比較的こぢんまりとした茶室に集い、道具や茶そのものをシェアすることになる。
多くの茶道教室が閉鎖を余儀なくされるなか、生徒のみなさんに少しでも安心して茶道に触れてもらいたいという教授者のおもいからこのプロジェクトはスタートした。
飛沫を防ぐアクリルのパーティションは所作のすべてが行われる床をフリーとするために天井から直径1㎜のステンレスワイヤーで吊っている。
畳半畳は目透かし天井2スパン分と合致しており、その目地にあわせてレールを通す。
道具の受け渡し用に切り欠いたコーナー部のエッジは畳の縁から16目(八寸)にぴったりあわせ、初学者にとっては膝を置く位置のガイドとしても機能する。
用途
茶室用パーティション
材料
アクリル板、ステンレスワイヤー等
竣工
2020年8月
設計監理
佐野健太建築設計事務所
担当
佐野健太
施工
INUK株式会社
担当
等々力邦芳
七條香純